ETFは手軽に始められて、分散投資が可能で、長期的にじっくり資産を増やすのに最適な方法です。
記事前半では、新NISAでETF投資を始める方法やETFと投資信託の違い、後半では新NISAで買えるETFや米国ETFや海外ETFの魅力や注意点などを解説します。
この記事を読むことで、新NISAでETF投資をするきっかけになれば嬉しいです。
Contents
初心者向け!新NISAでETF投資を始める方法
新NISAとは?
新NISA(小額投資非課税制度)とは、NISA口座で株や投資に投資して利益が発生しても、非課税になる制度です。
特定口座や一般口座では、利益の20.315%の税金がかかりますが、NISA口座では税金がかかりません。
新NISAを使うには、NISA口座と総合口座の開設が必要です。
新NISAの概要
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
併用 | 併用可能 | |
年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(そのうち成長投資枠1,200万円) 限度額の枠の再利用ができる | |
利用者の条件 | 18歳以上の日本国内居住者等 | |
対象金融商品 | 長期・積立・分散に適した一定の公募株式投資信託、ETF | 上場株式(国内・国外株)公募株式投資信託、TEF、REIT |
口座開設や新NISAについて、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
初心者でもできる新NISAの始め方!おすすめ商品や運用方法もETFと投資信託の違い
投資信託 | ETF(Exchange Traded Fundの略称) | |
上場/非上場 | 非上場 | 上場 |
販売窓口 | 証券会社・銀行など商品による | 証券会社 |
売買方法 | 1日1回算出される基準価格で取引 指値/成行注文不可 | リアルタイム取引 指値/成行注文可 |
購入時手数料 | かからないもの(ノーロード)が多い | かかる(ネット証券では基本無料) |
信託報酬 | ETFの方が安い | 投資信託よりも安い |
ETFの基礎知識と投資信託との比較
新NISAで投資を始める際、ETF(上場投資信託)と投資信託の違いを理解することは重要です。
どちらも分散投資ができる商品ですが、それぞれに特徴があります。
ここでは、ETFの基本を押さえつつ、投資信託と比較してみましょう。
ETFと投資信託のメリット・デメリット
ETFのメリット
- 低コスト
ETFは一般的に信託報酬(運用コスト)が低く抑えられており、長期的に見て費用負担が軽減されます。 - リアルタイムで取引ができる
ETFは株式と同じように市場で取引されるため、リアルタイムで売買が可能です。
これにより、価格のタイミングを狙いやすくなります。 - 透明性
ETFは保有する資産の内容が日々公開されていて、どの銘柄に投資しているのかがわかりやすいのが特徴です。
ETFのデメリット
- 売買手数料がかかる
購入時に証券会社の売買手数料が発生することがあります(楽天証券やSBI証券のように、国内ETF・海外ETF・米国株式など幅広い商品の売買手数料を無料としている証券会社もあります)。 - 価格の乖離
ETFには、「市場価格」と「基準価額」という2種類の価格があります。
市場価格は、売り手と買い手の需給によって決まりますが、ETFの本来の価値を示す基準価額とは異なる動きをすることがあります。
そのため、需給の状況によって市場価格と基準価額が乖離する場合があります。 - 分配金の再投資の設定
分配金の再投資を設定できないETFの分配金は、自動で再投資する設定がないため、再投資する場合は手動で買い付けを行う必要があります。
投資信託のメリット
- 少額から投資可能
投資信託は、100円などの少額からコツコツと積み立てられるため、資金が少ない方でも始めやすいです。 - 自動積立ができる
毎月の積立を設定することで、自動的に資産運用ができるため、手間がかかりません。
投資信託のデメリット
- コストが高い場合がある
信託報酬がETFよりも高めに設定されているものが多く、長期投資ではコストが負担に感じることがあります。 - リアルタイムの取引ができない
価格は1日に1回決まる基準価額で取引されるため、急な値動きに対応しにくいです。
ETFの種類と選び方
ETFはさまざまな種類があり、自分の投資目的に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、代表的なETFの種類と選び方について解説します。
代表的なETFの種類 | |
国内株式ETF | 日経平均株価やTOPIXなど、日本の株式市場の指数に連動するETFです。 日本の経済成長に期待する場合に選ばれます。 |
海外株式ETF | 米国株や新興国株など、世界中の市場に投資できるETF。 グローバルな分散投資が可能です。 |
債券ETF | 安定した収益を狙う場合に利用される債券を対象としたETF。 リスクを抑えた投資戦略に適しています。 |
セクター別ETF(業種・業界別) | 特定の産業(例:テクノロジー、ヘルスケアなど)に特化して投資するETF。 特定分野の成長を見込む際に選ばれます。 |
REIT(不動産投資信託) | オフィスビル・商業施設・物流施設・ホテル・リゾートなどの不動産に投資できます。 |
選び方のポイント
- リスク許容度を考える
自分がどの程度のリスクに耐えられるかをまずはっきりさせることが大切です。
安定性を重視するなら債券ETF、成長を期待するなら株式ETFが候補になります。 - 信託報酬(運用コスト)や手数料を確認する
信託報酬が低いETFを選ぶことで、長期投資のコストを最小限に抑えることができます。
新NISAで買えるETFとは?
ETFは新NISAでも購入できますが、多くは成長投資枠での購入になります。
以下はつみたて投資枠でも購入できるETFですが、つみたて投資枠を利用して購入できる証券会社は少ないです。
- iシェアーズ・コア S&P 500 ETF
- iFreeETF JPX 日経400
- iFreeETF TOPIX(年1回決算型)
- iFreeETF 日経225(年1 回決算型)
- 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
- 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
- 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
- 上場イックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)
楽天証券、SBI証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券のネット証券では、つみたて投資枠でETFの取扱は現在ありません。
※対象外のETF
- 信託期間が20年未満
- 毎月分配型
- レバレッジ型・インバース型
- デリバティブ取引を用いるETF
銘柄選びのポイント
- 信頼性の高い指数に連動するか
ETFがどの指数に連動しているのかを確認しましょう。
日経平均やS&P500など、知名度が高く分散が効いている指数がおすすめです。 - 流動性の高さ
売買が活発に行われているETFは、スムーズに取引できるため安心です。
流動性が低いと売りたいときに売れないリスクがあります。 - 運用期間と実績
長期間にわたって運用され、安定したパフォーマンスを示しているETFは、信頼性が高い傾向にあります。
新NISAで買えるおすすめETFとは?
ETFは複数の銘柄に投資をする商品で、1つの商品を購入することで分散投資が可能です。
成長投資枠ではS&P500や全世界株式(オール・カントリー)など、人気のあるETFはほとんどが対象になっています。
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
米国株式市場全体を対象としているため、構成銘柄が約450と多いのが特徴。
VTIと一緒に保有することで一定の分散効果も期待できる。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF (VTI)
米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、投資可能銘柄のほぼ100%に実質的に投資できる海外ETF。
バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETF (VTI)
新興国を含む全世界の株式に投資を行い、世界経済全体の成長を捉えます。
バンガード・ハイディビデンド・イールドETF(VYM)
「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」をベンチマークとするインデックスファンド。
配当利回りの高さによって選定された銘柄で構成されており、「エクソンモービル」「JPモルガン」「ジョンソン・エンド・ジョンソン」「P&G社」などの大型株が組み入れられているます。
450を超える銘柄を組み入れていることから、「より多くの銘柄に分散投資したい」という人に向いています。
SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)
S&P500指数採用銘柄のうち、配当利回りが高い上位約80銘柄が対象。
「四半期連続で黒字利益を維持」という採用条件があるため銘柄数が厳選されている。
世界的に人気が高く、流動性も抜群。米国の経済成長を取り込むには理想的です。
iShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG)
新興国市場に幅広く投資できるETFで、成長余地のある国々に分散投資できます。
中国、韓国、台湾、ブラジル、ロシア、インドなどが主な投資先。
NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信
日経平均株価を構成する225銘柄のうち、配当利回りが高い50銘柄で構成される「日経平均高配当株50指数」という指数との連動を目指すETF。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(MXS全世界株式)
新NISAのつみたて投資枠で人気の投資信託、eMAXIS Slim 全世界株式と中身は同じで、運用も同じです。
日本を含む世界の先進国と新興国の株式市場のパフォーマンスを総合的にはかる指数である「MSCI All CountryWorld Index」の円換算値との連動を目指すETFです。
新NISAでの積立投資の活用法
楽天証券やSBI証券などでは、成長投資枠で米国株や米国ETFの自動積立ができます。
収入や支出を見直して、無理のない範囲で積立額を決定しましょう。
月1万円からでも、長期的には大きな資産となる可能性があります。
最初は少額からスタートし、慣れてきたら増額するのもよいですね。
つみたて投資枠の上手な使い方
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能です。
そのためつみたて投資枠で一定の投資信託・ETFに積立投資をしながら、成長投資枠でそれ以外の投資信託・ETFなどにも投資できます。
ですが、つみたて投資枠で購入できるETFが少ないので、つみたて投資枠ではインデックスファンドを中心に選ぶと効果的です。
全世界株式(オール・カントリー)やS&P500などのETF(上場投資信託商品)を投資対象とするインデックスファンドがあり、つみたて投資枠と成長投資枠のどちらも購入できます。
インデックスファンドも市場全体の動きに連動するため、リスクが分散され、長期運用にも適しています。
また、非課税期間の無期限化を活用することで、長期的に資産を増やせる可能性があります。
積立投資のメリット3つとタイミング
積立投資の3つのメリットについて、解説します。
1.リスクを抑えることができる
積立投資では、毎月(あるいは定期的に)一定額を投資する「ドルコスト平均法」を活用します。
出典:DIME
これにより、価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く購入することができ、結果的に購入価格が平均化され、市場の価格変動によるリスクを抑える効果が期待できます。
特に株式市場は短期的な上下動が激しいため、積立投資は長期的な安定性をもたらします。
2.非課税メリットを最大限に活用できる
新NISAの最大の特徴は、投資で得た利益が非課税になる点です。
通常、投資で得た配当金や売却益には約20%の税金がかかりますが、新NISAではその税金がかかりません。
積立投資を長期的に続けることで、複利の効果と非課税のメリットが組み合わさり、資産の成長が加速します。
早く始めて長く続けることで、複利の効果を最大限に生かすことができます。
3.投資を習慣化しやすい
積立投資は、一度設定すれば自動的に一定額が引き落とされるので、忙しい日々の中でも投資ができます。
長期間にわたって続けることで、無理なく投資を習慣化でき、継続することが成功への鍵となります。
タイミングについて
積立投資は、長く積立てていくことで購入単価が平準化(ドルコスト平均法)されるので、タイミングを気にしなくてもよく、初心者の方も始めやすいです。
リスクを抑えた分散投資の戦略
リスクを低減するためには、複数の銘柄への分散投資が有効です。
分散投資の効果を得るためには、投資先の地域や投資対象などが異なる値動きをする商品を組み合わせることが大事です。
米国ETFや海外ETFの魅力と注意点
新NISAを活用する際に、米国ETFや海外ETFは魅力的な選択肢の一つです。
特に米国ETFは人気で、米国ETFへの投資は、低コストで幅広い分散投資が可能な点で特に注目されています。
以下、米国ETFの主な魅力と、活用した投資戦略について説明します。
米国ETFの魅力と投資戦略
米国ETFの魅力
- 信託報酬が安い
米国ETFは信託報酬が比較的低く抑えられているため、運用コストを最小限に抑えたい場合は理想的です。
また、楽天証券やSBI証券などのネット証券では、米国ETFや海外ETFの取引手数料が無料です。 - リアルタイムで売買できる
株と同様に、リアルタイムで売買ができ、売買価格を決めて注文する「指値注文」や、「成行注文」ができます。 - 分散投資
1つの商品で複数の銘柄に分散投資ができます。
出典:楽天証券
次に、投資戦略について解説します。
インデックス投資で長期的な資産形成
S&P500や全世界株式インデックスに連動するETFを積み立てることで、安定した成長が期待できます。
長期的な資産形成を目指す場合、ドルコスト平均法を用いて定期的に購入するのが効果的です。
セクター投資で成長分野を狙う
将来の成長が期待されるセクター(例:テクノロジー、ヘルスケア、クリーンエネルギー)に絞ったETFを利用する戦略もあります。
この場合、投資のリスクは高くなりますが、大きなリターンも狙うことが可能です。
債券ETFでリスク分散
株式ETFだけでなく債券ETFにも分散投資することで、相場の変動リスクを抑えることができます。
特に金利動向を注視しながら、景気サイクルに応じた配分を調整することが重要です。
新NISAでは、複数のETFを組み合わせてリスクを分散させることが推奨されます。
為替リスクと税金について知っておこう
海外投資では為替変動が資産に影響します。
円高・円安によってリターンが変動するため、為替動向を考慮して投資することが大切です。
為替変動は予測が難しいため、長期投資をすることでリスクを平準化するのが一つの戦略です。
税金については、米国株やETFに投資した場合、別途米国の税率10%の税金が源泉徴収されます。
ただし、NISA口座ではなく課税口座での取引であれば、20.315%を課税はされますが外国税額控除が適用され、確定申告をすれば所得税額から差し引くことが可能です。
証券会社の選び方と手数料の比較
次に、証券会社の選び方と、手数料の比較について解説します。
証券会社の選び方
以下は証券会社を選ぶ際に注目したいポイントになります。
取引手数料の安さ
ETFを頻繁に売買する予定がある場合、取引手数料が低い証券会社を選ぶことが重要です。
手数料がかさむと、投資のパフォーマンスに影響が出てしまうため、特に手数料が無料または安いところを探しましょう。
ネット証券は一般的に手数料が安く、ETFの積立投資にも適しています。
手数料体系が明確で、自分の投資スタイルに合ったプランを提供しているかどうかも確認しましょう。
積立投資のサポート
新NISAの積立投資枠を活用するためには、定期積立サービスの充実度も重要なポイントです。
自動でETFを定額購入できる仕組みがあるか、積立の設定が簡単かどうかをチェックしましょう。
各種サービス・特典の有無
証券会社によっては、新規口座開設や積立投資を行う際にキャッシュバックやポイント付与などの特典がある場合もあります。
これらの特典を活用すると、よりお得に投資を始められます。
おすすめのネット証券
- SBI証券
取扱いETFが豊富で、手数料が低く、自動積立サービスも充実しています。
さらに、ポイントを使った投資も可能です。 - 楽天証券
楽天ポイントを利用でき、取引画面が初心者にも分かりやすいと評判です。
積立投資をサポートするサービスも多く、コスト面でも魅力的です。 - マネックス証券
海外ETFの取り扱いが多く、米国市場への投資を考えている方におすすめです。
ツールが充実しているため、分析をしっかり行いたい方に適しています。
証券会社の手数料体系を徹底比較
売買手数料の比較
ネット証券 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | 松井証券 | auカブコム証券 |
国内株式 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
米国株式 | 無料 | 無料 | 実質無料 (キャッシュバック) | 無料 | 無料 |
海外株式 (米国以外) | 約定代金の0.275%〜 (銘柄による) | 約定代金の0.26%〜 (銘柄による) | 実質無料 (キャッシュバック) | 取扱なし | 取扱なし |
単元未満株 | 無料 | 無料 | 買付手数料無料 (買付時は約定金額に対し0.5%、最低手数料48円) | 取扱なし | 無料 |
投資信託 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
国内ETF・REIT | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
米国ETF | 無料 | 無料 | 実質無料 (キャッシュバック) | 無料 | 無料 |
対面証券会社・銀行 | 大和証券 | 野村證券 | 東京三菱UFJ・みずほ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・ゆうちょ銀行 |
国内株式 | 有料 (最低手数料1,100円〜) | 2,860円〜 | 取扱なし |
米国株式 | 有料 (約定代金による) | 売買金額に対し最大最大1.045%(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円) | 取扱なし |
海外株式 (米国株式以外) | 有料 (約定代金による) | 売買金額に対し最大最大1.045%(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円) | 取扱なし |
単元未満株 | 有料 (約定代金による) | 約定代金の1.43%(約定代金×基本料率が2,860円に満たない場合には、2,860円) | 取扱なし |
投資信託 | 有料 (一部無料) | 有料 (一部無料) | 有料 (一部無料) |
国内ETF・REIT | 取扱なし | 約定代金の最大1.43%(20万円以下の場合は2,860円) | 取扱なし |
米国ETF | 取扱なし | 売買金額に対し最大最大1.045%(売買代金が75万円以下の場合は最大7,810円) | 取扱なし |
ETFや株を購入できるのは、証券会社になります。
銀行では購入できませんので、口座開設の際は注意しましょう。
新NISA制度を活用するポイント
新NISAを使った資産形成のコツ
低コストのETFを選ぶ
ETFは信託報酬(運用コスト)が低い商品が多いため、投資家にとって負担が少ないのが特徴です。
特に、信託報酬が低いETFを選ぶことが長期的な資産形成には重要です。
信託報酬が高いと、それだけで運用成果が目減りする可能性がありますので、できるだけ信託報酬が安いETFを選びましょう。
投資目的に合ったETFを選ぶ
ETFには多くの種類があり、投資対象も異なります。
自分の投資目的やリスク許容度に合ったETFを選ぶことが大切です。
たとえば、成長性を重視するなら先進国や新興国の株式ETFを検討したり、安定性を求めるなら債券ETFを組み込むのも良いでしょう。
目標に応じて投資するETFを選び、定期的に運用状況を見直していくことが成功のカギです。
非課税による配当金の運用効果
通常の課税口座の場合:配当金の一部が税金で引かれるため、再投資する金額が少なくなり、将来の資産の増え方が抑えられます。
新NISAで非課税の場合:配当金全額を再投資できるので、元本がより大きくなり、将来の資産がより大きく成長します。
分配金と配当金の理解と活用法
次に、分配金と配当金の違いなどを解説します。
分配金と配当金の基礎知識
分配金とは
分配金とは、主に投資信託から投資家に支払われるお金のことです。
投資信託は、投資家から集めたお金をさまざまな金融商品(株式、債券、不動産など)に投資し、その運用で得た利益を分配金として定期的に支払うことがあります。
分配金には、「普通分配金」と「特別分配金」の2種類があります。
普通分配金は、運用によって得られた利益から投資家に支払われる分配金のことです。
特別分配金は、利益ではなく、元本の一部を取り崩して投資家に支払われる分配金です。
そのため「元本払戻金」ともよばれ、課税されません。
特別分配金が支払われると、その分個別元本は減少します。
配当金とは
配当金とは、主に株式から投資家に支払われるお金のことです。
企業が事業活動によって利益を上げた場合、その利益の一部を株主に還元するために配当金として支払います。
配当金は株式を保有している期間に応じて受け取ることができます。
分配金の受け取る方法と税制上のポイント
配当金の受取方法を株式数比例配分方式にする必要があります。
証券口座での配当金の受取方法を株式数比例配分方式にしないと、配当金に税金がかかりますので、注意しましょう。
新NISAを利用すれば配当金や分配金に税金はかかりませんが、米国株や米国ETFに投資をする場合は別途10%の税金がかかります。
米国株・米国ETFは米国の税率10%が適用され、この部分の税金は新NISAで非課税にはなりません。
その他、新NISAでは、毎月分配型は対象外になります。
配当金を再投資するメリット
配当金を再投資すると、「複利効果」によって資産がさらに増加します。
複利とは、得た配当金を元本に加えて再投資し、その元本が次の利益を生む仕組みです。
これにより、投資期間が長くなるほど資産が加速度的に増えていく可能性があります。
初めてのETF投資に必要な売買と注文の知識
以下は、ETF売買のおおまかな流れになります。
ETF売買の流れ
- 証券会社の口座開設(NISA口座・総合口座)
- 資金を入金
- ETFの銘柄を選び、金額・口数購入を決める(成行注文または指値注文)
- 注文状況を確認し、約定済になっていれば完了
- 売却する(成行注文または指値注文)
将来、ETFの価格が上がり、利益を確定したい場合や、資金が必要になった場合にETFを売却することになると思います。
売却の流れは、購入時と同様、成行注文または指値注文で売却します。
楽天証券の場合、米国株式やETFをNISA口座で取引する方法は、買い注文画面の口座区分を「NISA成長投資枠」に変更するだけです。
出典:楽天証券
iSPEEDやスマートフォンでの取引でも、口座区分の項目を「NISA」に変更すればNISA口座で取引ができます。
指値注文や成行注文の使い方
ETFには、指値注文と成行注文の2つの売買方法があります。
成行注文は、今の市場で取引が成立する最も有利な価格で、即座に売買を成立させる方法です。
価格を指定しないため、取引の成立が早いのが特徴です。
価格の変動を気にせず、すぐにETFを購入したい場合に便利です。
一方、指値注文は、購入したい値段を指定して注文を出す方法です。
希望の価格に達したときだけ売買が成立します。
購入したい価格を自分で設定できるので、思い通りの値段でETFを購入したい場合に有効です。
そのため、希望の価格にこだわりすぎると購入するチャンスの損失につながることがあります。
まとめ
ETFについて簡単にまとめると、
- ETFは上場投資信託のことをいい、証券取引所などの金融商品取引所で取引される投資信託のこと
- ETFを購入できるのは、主に成長投資枠
- リスクを分散させるには、値動きの異なるETFを購入
- リアルタイムでの売買をしたい、コストを抑えたい場合はETF
ETFは、分散投資ができる上に低コストで運用できるため、長期的な資産の成長に適しています。
新NISA口座を活用すれば、投資で得た利益が非課税になるため、節税効果も得られます。
まずは、リスク許容度を見極め、目標を設定してから、信頼できるETFを選びましょう。
購入手続きは証券会社で簡単に行えますので、日々の積み立てや定期的な運用の見直しを心がけることが大切です。
ETF投資を始めることで、資産形成の一歩がより確実に、そして安心なものになるはずです。
コメントを残す